- あったら幸せになる「医・衣・食・住」を届けるメディア -

視覚障害者に「笑顔を見える化」する、スマホアプリ

視覚障害者に「笑顔を見える化」する、スマホアプリ

リオ・パラリンピックが開幕し、障害者の方々の活躍が日々伝えられています。
各スポーツで躍動するアスリートの方々の鍛えられた身体と、スポーツに挑むためのトレーニングの努力には驚くばかりですが、
同時に、競技のために工夫された車いすや義足、設備類などのテクノロジーも圧巻で、興味のつきるところがありません。

一方、一般の障害者の方の日常生活をサポートするものとして、器具類のハードウェアだけでなく注目されているのが、スマホアプリなどの気軽に導入できるソフトウェアです。

実際のところ、会話を文字に置き換える音声認識アプリや、画像が何であるかを音声で読み上げてくれる画像認識アプリなどが多数発表されており、その多くは無料ダウンロードできるので、多くの障害者が自分に合ったアプリを便利に活用しているようです。

また、障害者をサポートする家族にとっても役立つ手話学習のアプリ、特別な設定や機器は必要なく、イヤホンを使うだけの補聴器アプリ、さらには息を吹きかけるだけで文字入力ができる、手足が不自由な方のためのアプリなども登場しています。

視覚障害者に「相手の笑顔」を知らせる機能

そんな障害者向けのアプリの中で、今回注目したのが2015年に発表されたSmile Detectorというアプリです。
開発したのは、なんと米LISTERINE社。そう、あの液体歯磨きの会社です。

このアプリは、スマホに映し出された人の表情を認識し、相手の笑顔を感知するとバイブレーションや音声で知らせてくれるというもの。

pic2-1

笑顔を感知する画像認識ソフトそのものは以前よりデジカメなどに採用されており、珍しいテクノロジーではありません。
しかしながら、その機能を視覚障害者向けにブラッシュアップさせた着眼点こそが素晴らしいと感じます。

下記のような使用者のコメントには、「笑顔を感じることができる」ということがどれだけ視覚障害者に幸せをもたらすものか、あらためて教えられます。

「多くの人は、誰かが自分に笑顔を向けていることがどんなに素敵なことか忘れているでしょう?でも、見えない身としてはそんな機会を逃しているということ。このアプリを通じて、自分に笑顔が向けられていることがわかるとき、とてもいい気持ちになるのよ」

pic3

可愛がっている甥っ子が自分に向けて微笑んでくれている。
それを実感できた女性の幸せそうなこと。

「便利」だけでは不十分、「幸せ」を感じてもらうためのテクノロジー

Screen-Shot-2015-09-02-at-11_03_03-AM_png1-968x632

先にも書いたように、このアプリはとりわけ最新のテクノロジーを駆使されたものではありません。
しかしながら、「便利」だけを追求するのではなく「幸福感」を提供する目的を持つことで、既存の技術にも病人や障害者に新たなサポートをもたらすことが、まだまだ可能なのではないでしょうか。

Smile Detectorアプリには、そんな気づきを与えてもらったような気がします。

Medicatessen 編集ディレクター / ライター

Sanae

食べ歩きとアウトドアを愛する編集者。

このライターの記事一覧