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北欧デザインで寝たきり予防。幸福を感じさせる介護ファニチャー

北欧デザインで寝たきり予防。幸福を感じさせる介護ファニチャー

世界的に見て平均寿命の長い国、日本。2015年秋の総務省統計では、80歳以上の人口が初めて1000万人を突破しました。健康寿命も延びており、問題なく日常生活を送れる人も増えています。その一方で、一人暮らしの高齢者にとって、健康状態の悪化や寝たきりになることが、最も大きな心配ごとである、という調査結果も出ています。

手足や体幹の筋肉が思うように動かせなくなった時、生活の助けとなるのが、介護用の家具です。使う方の状態に合ったものが必要となりますよね。多くの介護家具は、強度や安定性があり、調節機能が付いたもの。しかし、機能的に優れていても、デザインは無機的で不恰好なものが多いのが現状です。

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機能性を追求したデザイン的価値まで、あまり配慮されていないケースも

そんな中、北欧のデザインを取り入れ、身体に何らかの障害があっても、快適に座っていられる介護椅子を発見しました!

生きる尊厳を重視した北欧発のデザイン

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一見、介護椅子とは思えない優美なリクライニングチェアを販売しているのは、「株式会社デア・マイスター」。東京都荒川区にある会社です。

代表取締役の佐藤文三さんは、40年前、デンマークに家具作りを学ぶため留学。その地で出会ったのは、高齢者が生活を楽しむために作られた椅子でした。

帰国後、同社を設立し、1994年にはノルウェーHELLAND社がデザインした介護椅子を扱う「マイスター・ファニチャー」というショップを開設。表面の生地を600種以上から選べ、北欧ならではの木のぬくもりも楽しめるその椅子は、日本国内の介護家具の常識を超えたクオリティと言えるでしょう。

座り心地のいい椅子がもたらすもの


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例えば、「エルゴ・マルチチェア」。介護や病気を連想させるどころか、いかにも座り心地がよさそうな、ゆったりとした曲線が美しい椅子です。すっぽりと頭まで支えてくれる背もたれと、奥へ向かって傾斜した座面で、体の背面を正しい角度で支えてくれます。普通の椅子では猫背になる方も、まっすぐに背筋を支えることで、胸が開き、呼吸が楽になります。

リクライニング機能に加え、座面と背もたれの角度を維持したまま、体を掬うように倒せるティルト機能も供えています。脳卒中の後遺症やパーキンソン病などで、座位を保持できない場合でも、腰と背中で支えることができるのです。

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クッションに使用されているのは、高密度のモールドウレタン。特に負荷のかかるお尻の部分も、大腿部に圧力が分散される設計になっています。座っていて疲れないこと=ベッドで寝たきりにならないこと。ベッドから出て着替えをし、椅子に座って食事や趣味のひとときを楽しむことが、生活の質を大きく向上させます。しかも、その椅子が、美しいインテリアになるとしたら、効果はより高まるでしょう。

「介護される心」に寄り添う仕掛けも


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こちらは「ミアスタッキングチェア」という食堂用の介護椅子。肘掛部分が握りやすく、高齢者が自分で立ち上がる時に力を籠めやすい設計です。また、身長に合わせて椅子脚をカットしてくれるので、身長の低い人でも、自分の体に合った高さで座ることができます。

さらに、表カバーは取り外して洗えるので、食事をこぼしても簡単に対処できます。介護者の負担が減ることは、介護を受ける側にとっても引け目を感じずに済み、より堂々と自分の生活を楽しむことにつながりますよね。使う人の気持ちに寄り添った椅子がひとつあるだけで、介護の場が和やかで快適なものに変わっていくのではないでしょうか。

介護を受ける側と向き合って笑顔溢れる長寿社会を

Grandmother, elderly woman, drinking tea sitting at the table in the house.

「マイスター・ファニチャー」の家具は、けして安価ではありませんが、その分、生活に快適さをもたらしてくれます。専用の椅子でゆったりとくつろぐおじいちゃん、おばあちゃんの姿を見ることで、お孫さんたちがお年寄りの威厳を感じられれば、素晴らしいことですよね。ご本人のイメージにあった表生地を選んでプレゼントすることもできます。

高齢化が進む中、アメリカでは50代を境に、加齢とともに幸福度があがる、という調査結果もあります。介護される側に、本気で向き合ったプロダクトが日本でももっと普及して、誰もが思い切り自分の人生を楽しめたら素敵ですね。

 

Medicatessen ライター

mochida

セレモニースタッフ兼ライター。休日は湾岸エリアでジョギング

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