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偏頭痛患者の希望となるか?海外発“ウェアラブルデバイス”

偏頭痛患者の希望となるか?海外発“ウェアラブルデバイス”

季節の変わり目ですねー。天候が変わりやすい時期がきたってことは、多くの女性達を悩ます偏頭痛の頻度が増える時期ともいえますね。

患者さんの訴える苦しみを目の当たりにし、同じ苦しみを毎年感じている医療者も多いのではないでしょうか。

偏頭痛に苦しむ主な負担をあげると、

  • トリプタン製剤の経済的負担
  • 仕事や生活におけるパフォーマンスの低下
  • 薬物治療による副作用や薬物乱用頭痛への連鎖
    などでしょうか。

ベルギー発のウェアラブル治療機器

日本では薬物治療が主流です。効果が不十分な場合、究極の方法として保険適用外のボトックス注射による予防治療法もありますが、副作用が懸念されます。また、ドクターの技術や知識にも左右されるといわれることもあり、医療現場と患者さんの両方にリスクがかかります。

一方、海外はというと、新たな方法で偏頭痛治療が行われています。その先駆けが、偏頭痛の発作を慢性化させないために開発された偏頭痛緩和ヘッドバンド「Cefaly(セファリー)」です。

偏頭痛に希望_ウェアラブルデバイス

ベルギーに拠点を置くセファリー・テクノロジー社より販売されており、2014年3月にはFDA(米国食品衛生局)に承認されました。また、2015年8月に発表された臨床試験では、「セファリーを使用する人で偏頭痛の81%を軽減する」と発表されています。

「セファリー」の主な特徴を挙げると、

  • 額より電流を流し、三叉神経を刺激し、偏頭痛の原因となる脳血管拡張を予防する
  • 1日20分間、デバイスを装着するのみで、簡単かつ継続しやすい
  • 副作用の心配がほとんどない
    といわれています。

人生が一変したある女性の症例

偏頭痛に希望_ウェアラブルデバイス

イングランドに住むジェーン・エペルさんは、10日ごとに36時間も続く激しい偏頭痛に悩まされ、ありとあらゆる治療法を試し、治療費は総額200万円以上にのぼりましたが、症状は一向に改善しませんでした。

しかし、インターネットで偶然見つけた「セファリー」により、年に50日間から9カ月に4回にまで頻度が減り、「普通の生活をすることができるようになった」とジェーンさんの人生を変えるものとなったそうです。

患者さんのみならず、この記事を読んでいる医療者も、偏頭痛で悩んでいるという方は多いと思います。ひとたび偏頭痛の発作が起こると、当事者以外にもそのご家族の楽しみや幸せな時間が損なわれてしまうでしょう。

このような新しいテクノロジーの恩恵により偏頭痛に苦しんでいた人のQoT(時間上の質)が改善し、今まで発作が起こる度に失われていた日々の楽しみや有意義な時間を取り戻すきっかけになるならば、このデバイスは価値があると思われます。

ちなみに「セファリー」の販売価格は、今のレートで約4万円。例えば、薬価が1000円弱のトリプタン製剤を服用し続けることを考えると、経済的負担の軽減も期待できます。

偏頭痛に悩む女性たちの希望になるか

偏頭痛に希望_ウェアラブルデバイス

まだ、日本ではこのような偏頭痛予防のためのウェアラブルデバイスはありません。日本頭痛学会によると100人に8.4人、20~40代の女性に多く、特に30代女性では最も高く約20%に達しています。

偏頭痛は、女性ホルモンと密接な関係にあるため、ちょうど仕事や子育てに忙しい年代の女性にとっては、非常に辛いもの。さらには生理の2日目と3日目に偏頭痛の頻度が高いといわれています。

そんな悩める女性たちに、新しい技術が希望の光を与え、活き活きと暮らす手助けができるプロダクトが日本でも登場がしてくれれば、治療法も幅が広がると思われます。また、偏頭痛に対するだけではなく、日本人の活用ニーズに基づいたウェアラブルデバイスの開発にも期待が高まります。

Medicatessen ライター

侑紀(ゆうき)

酉年生まれで、鶏の唐揚げをこよなく愛する薬剤師&ライター

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