- あったら幸せになる「医・衣・食・住」を届けるメディア -

「病の子供たちに元気を」大胆なビタミンカラーのテレトン小児癌病院

「病の子供たちに元気を」大胆なビタミンカラーのテレトン小児癌病院

日本では到底考えられない、鮮やかでアートのような建物。しかもそれが病院だなんて!

メキシコ・ケルタロの街に建つ、テレトン小児癌クリニックをご紹介します。

病院を設立したテレトン基金は、肢体不自由児のリハビリを通じた成長発達と社会参加を支援するため、1978年にチリで設立された福祉財団。現在では中南米13カ国に支援の輪を広げています。

 

「細胞の再生 」を表現した、躍動的な外観

“テレトン小児癌クリニック”

明るいメキシコの空との対比も鮮やかな、ビビットカラーのフォルム。癌に侵された子供たちを支援するために設立されたこのクリニック、色分けされた縦型のブラケットで構成された大胆なファサードは、一目みたら忘れられないほど印象的です。

設計のコンセプトは「細胞」。一連の細胞が異なる動きをしながら再生するというテーマを、アーキテクトとして表現しています。

さらに9色の色分けは9区に分かれたセクションと連動しており、縦型のブラケットは過剰な日照を防ぐという、患者さんへの配慮や機能的な意味も併せ持っています。カーブ状の形態は、細胞の躍動感を表しているのではないでしょうか。

“テレトン小児癌クリニック”

フレッシュ・エアーを楽しむ中庭のようなスペースも。

 

カラフルで楽しいインテリアが、患者さんや家族、医療スタッフを元気にする

“テレトン小児癌クリニック”

ビビットなカラーリングは、外観だけではありません。院内のあらゆるコーナーに、ウキウキするようなインテリアコーディネイトが施されています。

色鮮やかながらもモダンな印象のある外観と比較すると、内装はどこか温かみと親しみのあるトーンでまとめられており、子供の患者やその家族に明るい気持ちをもたらすように工夫されていることに感心します。

近年は日本の小児科クリニックなどでも、子供たちに安心感や親しみを感じさせるため、インテリアに工夫をこらしているケースが増えてきました。外観はまだしも、こういった院内インテリアには、参考にしたいアイデアが満載です。

“テレトン小児癌クリニック”

たとえば壁や床の色とコーディネイトされた2色の椅子を交互に並べるだけで、こんなにリズムのある空間に。すぐに真似できるアイデアですよね。

 

施設の背景にある、医療への情熱

 

“テレトン小児癌クリニック”
同病院を利用する患者さんのうち、4割が2歳以下の乳幼児だそうです。そして驚くべきことに、予算は主にテレビキャンペーンを通じた市民からの寄付金と患者の経済状況に応じて受領する診察料からなるとのこと。

斬新な建造物だけではなく、それを支える社会の理解と期待に、しくみから考えるべき今後の医療の姿のヒントがあるのではないでしょうか。

美しく、楽しく工夫されたこの病院は、医療にかかわる人々、見守る社会の情熱と温かい心が具現化した形のようにも思えるのです。

Medicatessen 編集ディレクター / ライター

Sanae

食べ歩きとアウトドアを愛する編集者。

このライターの記事一覧