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医療機関が取り組むべき「ビジュアル・ヒーリング」という考え方とは?

医療機関が取り組むべき「ビジュアル・ヒーリング」という考え方とは?

近年、病院の新規建設や建て替えが盛んにおこなわれ、医療機関とは思えないような綺麗な建物が増え、ドラマのロケ地にも使われています。
今回、著名な建設家2名が現代の病院という建物につていて提示している「ビジュアル・ヒーリング」という考え方に注目してみました。

このビジュアル・ヒーリング、現代の医療にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

 

建物も治療に大きな影響をもたらしている

“ビジュアル・ヒーリング”

ロサンゼルスに拠点を持ち、ともに医療施設の設計に20年以上かかわっている2名の著名な建設家、ジーン・クロウとアルベルト・アルヴァレスは、病院という建物について次のように述べています。
「レイアウトは患者の生死に影響する可能性がある。というのは患者の治療にとって時間は重要な要素だからだ」と。

病院というと、最も効率的な動線やレイアウトが重視され、日本でもひと昔前まで同じようなデザインの病院ばかりでした。
しかし研究の結果、そういった機能面だけではなく病院の外観や内装が治療のプロセスに大きな影響を及ぼすということが分かりました。

見た目が患者やスタッフ、そして訪問者の気分をよくするものであれば治療にいい影響を及ぼすとも2人の建築家達は話しています。
確かに、外観、内装に温かさや心地よさが配慮された病院は、病院という陰湿なイメージを覆し、気分を高揚させる効果も十分に期待できます。

 

時代の変化とともに理解されるビジュアル・ヒーリング

“ビジュアル・ヒーリング”

上の写真は、いずれも実在する病院の診療室と患者さんの個室です。
ヘルスケアに関する考え方が変化するとともに、ビジュアル・ヒーリングの重要性についての理解が深まってきています。

最新のマシンがたくさん置かれているような、科学的に見える病院ほどいい病院に見えるというのが以前までの考え方でした。
しかし、その考え方と真逆となるような病院、すなわち「我が家のような病院」が患者さんを心地よくさせる病院であると考えも普及してきました。
特に現場では、科学的に見える病院で働いていても、いかにして家にいるような病院にできるか工夫をこらしているスタッフも増えてきています。
つまりケア面などで自宅にいるかのように安心できる環境を作るよう努力しているのです。

そういった精神的なことだけでなく建物自体が見直されることで、ビジュアル・ヒーリングという面からさらに治療へのアプローチができるのではないかと期待が高まっています。

 

文化や時代にも柔軟に対応できる建物「病院」

“ビジュアル・ヒーリング”
病院が文化や時代を取り入れるということは、実はとても難儀なこととなります。
例えば、アメリカという国1つをとっても、「家のように家族全員で病院で過ごすという南アメリカ」、「すべて医療者にお任せという北アメリカ」というような地域による傾向があり、文化の違いがあります。

一方、日本はどうでしょうか。
どちらかというと南アメリカの考え方に近いような、家族が頻繁に見舞いに訪れ、患者と共に過ごすということが多いのではないでしょうか。
日本の文化、そして日本の医療に付随するように建物もビジュアル・ヒーリングの視点を取り入れて建設されていくことを期待しています。

Medicatessen ライター

Ray

動物・スポーツ・食べることが大好きな、現役看護師。

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